静岡県の秋は、伊勢エビ・タカアシガニ・桜えびなど、海と山の食材がいっせいに旬を迎える季節です。この記事では、伊豆・東部・中部・西部の4エリアから、秋に食べたい6つの食材を紹介します。
秋の静岡、なに食べたい?
夏が終わって、朝晩がひんやりしてくると、なんだか温かいものが恋しくなりますよね。じつは静岡の秋は、海の幸がぐっと増える季節なんです。
伊勢エビ漁が始まり、深海のカニ漁が始まり、桜えびの秋漁も始まる。山里では、甘柿が色づき、自然薯の掘りどきを迎えます。
「静岡の秋といえば紅葉と温泉」と思っていた方も、読み終わるころには食べに行きたくなっているはずですよ。
✅ この記事でわかること
- 静岡の秋に旬を迎える食材6つ —— 伊豆・東部・中部・西部の産地とあわせて
- 漁が始まる時期 —— 伊勢エビ・タカアシガニ・桜えび・トラフグ
- 秋の旬カレンダー —— 「食」で静岡をめぐるときの目安に
- よくある質問 —— 気になる疑問にまとめてお答え
静岡の秋が「おいしい」理由
旬とは、その食材がいちばんおいしく、いちばん多く出回る時期のことです。静岡の秋がおいしい理由は、海と山の両方にあります。
ひとつは、日本一深い湾といわれる駿河湾。深海のタカアシガニや桜えびは、この湾ならではの食材なんです。
もうひとつは、伊豆の岩礁と遠州灘という性格のちがう海。そして、天竜川や太田川がつくった山あいの里。
まずは6つの食材を、表で見比べてみましょう。
| 食材 | エリア | 秋の旬の目安 | 定番の食べ方 |
|---|---|---|---|
| 南伊豆の伊勢エビ | 伊豆(南伊豆町) | 9月中旬の解禁から | お造り・鬼殻焼き・ボイル |
| 戸田のタカアシガニ | 東部(沼津市戸田) | 9月から(底びき網漁) | 塩ゆで・蒸し |
| 由比の桜えび | 中部(静岡市清水区) | 10月下旬〜12月下旬(秋漁) | かき揚げ・生・釜揚げ |
| 丸子のとろろ汁 | 中部(静岡市駿河区) | 秋〜冬(自然薯の掘りどき) | 麦ごはんにかけて |
| 森町の次郎柿 | 西部(周智郡森町) | 10月〜12月 | そのまま・サラダ |
| 遠州灘のトラフグ | 西部(浜松市ほか) | 10月〜2月末 | ふぐ刺し・ふぐちり |
※旬の時期は、その年の天候や漁の状況で前後します。2026年10月時点のまとめです。
1. 南伊豆の伊勢エビ(伊豆)

南伊豆の伊勢エビとは、伊豆半島の南端・南伊豆町の岩礁で獲れる伊勢エビのことです。南伊豆の伊勢エビ漁は、例年9月中旬に解禁されます。満月の前後5日間は漁を休むなど、資源を守りながら獲っているんです。
南伊豆町では毎年秋に「伊勢海老まつり」が開かれます。2026年は10月3日から11月30日まで、町内の宿で伊勢エビ料理が楽しめます。
食べ方は、プリッと甘いお造りと、香ばしい鬼殻焼きが二大定番です。
▶ 詳しくは「南伊豆町|秋の伊勢エビは、宿で味わうのがいちばん」へ
2. 戸田のタカアシガニ(東部)

タカアシガニとは、駿河湾の水深200〜500mにすむ、世界最大のカニのことです。沼津市の戸田地区は、このタカアシガニの特産地として知られています。
静岡県によると、県の漁獲量は全国一。令和6年度は約11トンが水揚げされました。
底びき網の漁期は、9月から翌年5月15日まで。秋は、その年のタカアシガニ漁が始まる季節なんです。
体が大きいので、家で調理するのは難しいカニ。味はさっぱりとして、ほんのり甘いのが特徴です。
戸田の旅館や食事処で、塩ゆでや蒸しで味わうのがおすすめですよ。
▶ 詳しくは「沼津市戸田|世界最大のカニ「タカアシガニ」を、秋の戸田で味わう」へ
3. 由比の桜えび(中部)

桜えびとは、国内では駿河湾だけで水揚げされる、体長4〜5cmほどの小さなエビのことです。
漁ができるのは、春と秋の年2回だけ。由比港漁協によると、秋漁は例年10月下旬から12月下旬です。
漁の許可をもつ船は、由比・蒲原・大井川の3地区で120隻しかありません。2025年の秋漁は11月4日に始まり、初日の水揚げは約2.3トンでした。
サクサクのかき揚げは、由比に来たらぜひ食べたい一品です。
▶ 詳しくは「静岡市清水区由比|桜えびは秋もおいしい」へ
4. 丸子のとろろ汁(中部)

丸子のとろろ汁とは、東海道の宿場町・丸子宿に伝わる、自然薯をすりおろした郷土料理のことです。
自然薯は、日本の山に自生するヤマノイモのこと。秋に葉が黄色くなるころから、掘りどきを迎えます。
丸子宿の「丁子屋」は、慶長元年(1596年)創業の老舗です。歌川広重の「東海道五十三次」にも、この店が描かれています。
味噌仕立てのとろろを、麦ごはんにたっぷりかけて。430年続く東海道の味を、秋の散策のあとに味わってみてください。
▶ 詳しくは「静岡市駿河区|丸子のとろろ汁は、自然薯の季節がいちばん」へ
5. 森町の次郎柿(西部)

次郎柿とは、森町で生まれた、四角く平たい形の甘柿のことです。
始まりは江戸時代末期の弘化年間(1844〜1848年ごろ)。森町の松本治郎が、太田川の河原で見つけた幼木を植えたのが最初とされています。その原木は今も森町に残り、静岡県の天然記念物になっているんです。
JA遠州中央によると、出回るのは10月から12月。明治41年からは、毎年皇室にも献上されています。
選ぶときは、ヘタの近くまで色づいて、ずっしり重いものがおすすめです。
▶ 詳しくは「森町|四角い甘柿「次郎柿」のふるさとへ」へ
6. 遠州灘のトラフグ(西部)

遠州灘天然とらふぐとは、遠州灘で延縄や手釣りで獲られる、天然トラフグのブランド名のことです。
浜松市によると、漁期は10月から2月末日まで。主な水揚げ港は、浜松市の舞阪漁港です。
700g以下の小さなトラフグは、海に放流するルールがあります。資源を守りながら、大きく育ったものだけを届けているんですね。
秋に漁が始まって、寒くなるほどおいしくなる冬の王様。ふぐ刺しやふぐちりで、秋の終わりから楽しめますよ。
▶ 詳しくは「静岡県西部|秋に始まる「遠州灘天然とらふぐ」の季節」へ
秋の旬カレンダー
いつ、どこへ行けば何が食べられるのか。9月から11月の目安をまとめました。
| 食材 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月以降 |
|---|---|---|---|---|
| 南伊豆の伊勢エビ | ◎ 中旬に解禁 | ◎ | ◎ | ○ |
| 戸田のタカアシガニ | ◎ 漁が始まる | ◎ | ◎ | ◎ 翌5月中旬まで |
| 由比の桜えび | — | ○ 下旬に秋漁 | ◎ | ◎ 下旬まで |
| 丸子のとろろ汁(自然薯) | ○ | ◎ | ◎ | ◎ |
| 森町の次郎柿 | — | ◎ | ◎ | ○ |
| 遠州灘のトラフグ | — | ◎ 漁が始まる | ◎ | ◎ 2月末まで |
◎=最盛期の目安、○=出回る時期の目安です。
よくある質問(FAQ)
質問をタップすると答えが開きます。
静岡で秋に食べたい旬の食材は何ですか?
海なら、伊勢エビ・タカアシガニ・桜えび・トラフグです。山の幸なら、自然薯(丸子のとろろ汁)と森町の次郎柿がおすすめです。
伊豆の伊勢エビはいつから食べられますか?
伊勢エビ漁は、例年9月中旬に解禁されます。南伊豆町では、秋に「伊勢海老まつり」も開かれます。2026年は10月3日から11月30日までです。
桜えびの秋漁はいつですか?
由比港漁協によると、例年10月下旬から12月下旬です。解禁日は年によって変わります。最新情報は、由比港漁協の発表を確認してください。
タカアシガニはどこで食べられますか?
沼津市戸田地区の旅館や食事処で味わえます。体が大きく家庭での調理は難しいので、お店で食べるのがおすすめです。
次郎柿と富有柿はどう違いますか?
次郎柿は、四角く平たい形で、実がかためなのが特徴です。森町が発祥の地で、原木が今も残っています。
遠州灘のトラフグは秋も食べられますか?
食べられます。浜松市によると、漁期は10月から2月末日までです。
まとめ
静岡の秋は、海の漁が始まり、山里が実りを迎える季節です。
伊豆で伊勢エビ、東部でタカアシガニ、中部で桜えびととろろ汁。西部では、次郎柿と遠州灘のトラフグ。
4つのエリアを「食」でたどると、静岡県の広さとゆたかさを、味で実感できるはずです。
紅葉や温泉の帰りに、ぜひ旬の味にも寄り道してみてください。
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※データ参考:静岡県(タカアシガニの漁獲量)、由比港漁業協同組合(桜えび)、浜松市(遠州灘の漁場・冬の旬カレンダー)、JA遠州中央(次郎柿)、しずおか文化財ナビ(次郎柿原木)、南伊豆町の伊勢海老まつり関連情報、丁子屋関連情報(いずれも2026年10月29日確認)。漁期や解禁日は、各漁協・自治体の最新発表をご確認ください。
この記事について
- 著者:welove静岡編集部
- 監修:welove静岡編集部
- 公開:2026年10月29日
- 最終更新:2026年10月29日






