島田市|江戸時代へタイムスリップ!大井川川越遺跡

今回ご紹介する<島田宿>大井川川越遺跡(しまだしゅく おおいがわかわごしいせき)は国指定の史跡です。
現在は江戸時代当時の建物を再現した野外ミュージアムとなっています。
この大井川川越遺跡を含む川越街道周辺地域一帯と島田市博物館を総称して、『ヒストピア島田』と呼ばれています。
『ヒストピア島田』は「ブラタモリ」でも紹介されて話題になりました。
「越すに越されぬ大井川」というフレーズを耳にされたことがある方もいるのではないでしょうか。
発祥はこの地の大井川です。
大井川川越遺跡では、江戸時代にどうやって大井川を船も橋もなく渡ったのか、野外ミュージアムなどから学ぶことができます。
また、歴史ある町並み越しに大井川を撮影すれば、思い出に残る映える写真が撮れます。
観光に最適なこれからのシーズンには、歴史に触れて学んで当時に思いを馳せるのもいいですね。
では、詳しく大井川川越遺跡についてご紹介します。
大雨が降ると渡れない!「越すに越されぬ大井川」
川越制度とは?
江戸時代、大井川は西への江戸防衛の要所として、橋を架ける事と渡船を禁じられていました。
そのため、東海道五十三次最大の難所とされていたのです。
そこで生まれたのが川越制度です。
料金を払い、川を渡る専門の人(川越人足:かわごしにんそく)に肩車や蓮台という乗り物を使って、安全に川を渡してもらいます。
料金はその日の川の水深と川幅、肩車や蓮台などの川渡し方法によって定められていました。
参勤交代の大名は荷物も運搬する大所帯のため、専用の蓮台を所有していました。
一般の旅人の多くは、約1時間の肩車で川を渡りました。
箱根八里は馬でも越すが越すに越されぬ大井川
見出しは、神奈川県箱根峠の馬子達の民謡「箱根馬子唄」の歌詞の一部です。
大井川は川幅が広い上に流れが急で、橋や船がなければ渡る事は困難です。
雨で増水されれば、水深約135cmで川越は禁止されました。
(一般的なプールの水深で約120cm)
これを≪川留め≫と言います。
旅人は足止めされ、島田宿や金谷宿は大変賑わいました。
川留めは最長28日間続いた記録が残っています。
まさに、越すに越されぬ大井川ですね。
川越制度はいつまで続いた?
江戸幕府が終わるまで続きました。
架橋や渡船が認められたのは1870年(明治3年)です。
今では、大井川の橋の上を車も新幹線も走っています。
歴史好きにはたまらない!江戸時代の雰囲気を感じてみよう

島田市博物館までの国指定の史跡である約300mの区間には、江戸時代の町並みが復元・保存されています。
由来する建造物等は、約20カ所あります。
川会所、口取宿、番屋などです。
川会所は川越制度が確立されてから、川越の料金決定や切符(川札)の販売、川留めなどの川越業務の中心を担ってきました。
口取宿は川越人足達に公平に仕事を割り振っていたところで、番屋は一から十までの組に分かれた人足達の詰所です。



番屋の1つで、間口8.5m、奥行9.4mに50人ほど待機していました。

こちらで川越人足達はくつろいでいたのでしょうか。
現在公開されている番屋は、三番宿、十番宿だけです。
八重枠稲荷神社は、1760年に川越衆の安全と無事故を祈願して建立されました。
歌川広重「東海道五十三次」の題材にも!作品に影響を与えた川越の情景
東海道五十三次
かの有名な歌川広重の東海道五十三次にも川越が描かれています。
東海道五十三次は江戸時代の浮世絵木版画で、全部で55図あります。
旅行ブームが訪れていた当時、絵で旅行気分を楽しめると大ヒットしました。
大井川川越は、駿河湾から眺めた景色が描かれた23「嶋田 大井川駿岸」、絵の奥に金谷宿が見える24「金谷 大井川遠岸」に描かれています。
映画で川越を見てみよう
1945年に制作された「狐の呉れた赤ん坊」では、川越が描かれています。
実際に役者さんが川越をしている様子を見ると、いかに大変だったか分かります。
評価の高い人情時代劇のモノクロ映画で、後に勝新太郎さん主演でリメイクされています。
2023年9月11日現在、Amazonprimeなどで配信されています。
訪れる前にご覧になると、より理解が深まりそうですね。
歩き疲れたら、ちょっと一服
この施設は大井川川越遺跡内にある「芭蕉庵」という名の茶店です。
川越街道の周辺にある飲食店、川越茶屋(そば玄・芭蕉庵)の一つです。


川越茶屋「芭蕉庵」では、江戸風コーヒー、甘酒等を提供されています。
(土・日・祝のみ営業)


和菓子バルに行ってみよう
大井川川越遺跡では定期的にイベントが開催されています。
せっかくなら、イベントに合わせて訪れるのもいいですね。
楽しいイベントをひとつおすすめします。
「第5回和菓子バル」
島田市博物館周辺の川越し街道で、島田市内の和菓子店が絶品和菓子を販売します。
また、静岡県のソウルフード「さくらめし」、緑茶の販売等も行われます。
それだけでも楽しみですが、イベント当日は、島田市博物館は無料で入館できます。
まだ訪れた事のない方は、この機会に大井川川越遺跡へ観光に行ってみましょう。
開催日 | 2023年11月3日(金・祝) |
開催時間 | 9:00~13:00 |
問い合わせ先 | 島田市博物館 文化財係 0547-36-7967 |
ご紹介の「大井川川越遺跡」詳細情報
大井川川越遺跡
住所 | 静岡県島田市河原1 |
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電話 | 島田市博物館 0547-37-1000 |
営業時間 | 8:30~17:00 |
入場料 | 無料 |
駐車場 | 無料駐車場あり (島田市博物館駐車場) |
アクセス | アクセスは下記の島田市博物館を参照 |
島田市博物館
住所 | 【本館】静岡県島田市河原1-5-50 【分館】静岡県島田市河原2-16-5 |
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電話 | 島田市博物館 【本館】0547-37-1000 【分館】0547-34-3216 |
営業時間 | 9:00~17:00 ※最終入館16:30まで |
休館日 | 月曜日(祝日の場合は翌日) 年末年始 臨時休館日 12月26日から年1月3日まで |
入場料 | 高校生以上300円 中学生以下無料 |
駐車場 | 無料駐車場あり ※47台分 |
アクセス | タクシー ●JR島田駅から約5分 ●JR金谷駅から約10分 路線バス(平日のみ運行) ●JR島田駅北口から路線バス「金谷島田病院線(金谷駅行)」乗車→「向島西川越し街道入口」下車→徒歩約10分 ●JR金谷駅から路線バス「金谷島田病院線(島田市民病院行」乗車→「向島西川越し街道入口」下車→徒歩約10分 車 ●東名「吉田IC」「相良牧之原IC」から約20分 ●新東名「島田金谷IC」から約16分 ●国1バイパス「旗指(はっさし)IC」「向谷(むくや)IC」から約5分 |
HP | https://www.city.shimada.shizuoka.jp/shimahaku |
江戸時代をのぞいてみよう!

いかがでしたでしょうか。
大井川川越遺跡では、江戸時代の情緒あふれる建造物などで江戸を体感できそうですね。
今とは全く異なる当時の様子に驚くのではないでしょうか。
たった150年で時速300kmの新幹線が橋を渡るようになりました。
歌川広重など後世に名をはせる著名な芸術家の題材にもされています。
11月開催の「和菓子バル」の他にもイベントは多数ありますので、ぜひ訪れる前にチェックしてみてくださいね。
おいしい珈琲が飲むことができる、土日祝日営業のカフェもあるようです。
昔の街人に思いを馳せながら、江戸時代にタイムスリップしに行きましょう。
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