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静岡市|トイレの神様や梅の名所で知られる、おとうけんさん「洞慶院」

静岡市:洞慶院

県内屈指の梅の名所と知られ、多くの観光客が押し寄せる曹洞宗久住山「洞慶院」。
地元では「とおけんさん」の愛称で親しまれており、春は梅園、初夏は新緑、秋は紅葉といった四季折々の景色やトイレの神様参りなど様々な楽しみ方を体感できる穴場のスポットです。

静岡市葵区にある曹洞宗(禅宗)寺院、「洞慶院」の魅力をご紹介します。

     

 

400本が咲き誇る梅の名所

静岡市:洞慶院

蝋梅や白梅・紅梅など400本にも及ぶ梅の花が境内に立ち並び、2月下旬から3月上旬にかけての満開時には見応えある圧巻の景色を楽しませてくれます。

曹洞宗開祖が、たいそう梅の花を好まれたことから、歴代の住職が天塩にかけ育て上げることで、多くの人に愛される今日の絶景を生み出しています。

穏やかな梅の香りに包まれながら、ゆったりと散策できる境内には数カ所ほどベンチも置かれ、思い思いの時間をのんびりと過ごせます。

    

江戸時代から佇む、樹齢400年ほどの四本杉

洞慶院

参道を進んだ先にそびえ立つ樹齢400年を有す杉の大木を拝みつつ、鳥のさえずりと共に参拝してみるのもおすすめです。

    

厳かな本堂

静岡市:洞慶院

参道を進み歩き、趣ある大木の四本杉を眺めた先の階段を登ると、厳かな本堂が静かに現れます。

静岡市:洞慶院
静岡市:洞慶院
鐘楼堂

千手千眼観世音菩薩をご本尊とした本堂は、趣ある佇まいで背筋が伸びるような凛とした気持ちが蘇る心持ちです。

     

トイレの神様として信仰される鳥瑟沙摩明王(うすさまみょうおう)堂

静岡市:洞慶院

便器をまたぎながら祈念する烏枢沙摩明王

向かって左手には、トイレの神様として知られている烏枢沙摩明王がいらっしゃいます。
病気や下の世話にかからないよう多くの参拝者が訪れ、祈念されていますが、実は実際に便器が祀られているんです。

洞慶院

便器をまたぎながら思いを伝える、独自のスタイルが一生の思い出になりそうです。

    

根切り地蔵黄梅薬師如来

洞慶院

その横には、あらゆる病気の根を切ってくださる根切り地蔵(右)がと薬壺を手にした黄梅薬師如来(左)があります。
巣鴨のとげぬき地蔵尊のご利益を静岡の地に伝えるべくご尊像の掛軸を譲り受け祀ったところから、今日の木彫りと石造りのお地蔵様とのご縁に繋がっています。

    

いくつもの伽藍がお目見え

その他、坐禅堂や庫裡、その昔塩水が吹き出したという云われがある塩渓堂など、じっくりと境内を散策できる、広々として落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

    

素朴な民芸品「おかんじゃけ」

静岡市:洞慶院
本当はもっと鮮やかな色なのですが、烏枢沙摩明王の前に飾られている「おかんじゃけ」です。

年間行持の一つとして、とおけんさんの夏祭りは子供の頃の忘れられない思い出でもあります。
普段の静かな雰囲気とは打って変わり、人の波でごった返す中、屋台がいくつも並びわくわくしたり、そわそわしたりと気分が高揚した記憶があります。

その時に意味が分からず、なぜか欲しくなってしまったのが「おかんじゃけ」です。
魔除けか何かかと思っていたのですが、改めて調べてみると郷土玩具とありました。

その年の真竹を用いて作られており、一節を持ち手、もう一節を繊維状に裂き、赤・黄・紫の3色に染め上げています。

男の子は采配にして遊び、女の子は人形の髪に見立てて遊ぶというのが本来の始まりでした。
とおけんさんのお祭りに合わせて売られていたことから、夏病みを防ぐ魔除けや縁起物として広まっていった歴史があるようです。

各地で同じような物が作られていましたが、「おかんじゃけ」として残されているのはとおけんさんだけとなっています。
夏の思い出に、素朴で貴重な「おかんじゃけ」を手に入れてみるのも素敵ですよね。

    

とおけんさんのハイキング

実は、とおけんさんの楽しみ方の一つにハイキングがあるんです。
巡礼コースと富士山と共に安倍川や静岡市街を一望できる安倍城址頂上へ向かうコースがあります。

1.気持ちを豊かにする観世音巡り

静岡市:洞慶院

正しくは、西国三十三観音巡りと云われています。

昭和の初め頃、西国巡礼を身近で体感できるようにと、当時の住職が立願し、意志を受け継いだ後の住職や檀信徒の力添えにより、観世音尊像碑を祀った巡礼コースができました。
一体ごと、西国三十三観世音霊場のお砂踏の砂を敷いているため、順に歩んでいくことで観世音様の御方便にあずかることができます。

登り口より緩やかなコースを描きながら、三十三体の石仏を辿っていきます。
本当に緩やかで比較的歩きやすいコースと筋力や体力を必要とするコースに分かれていますので、ご自身のペースや楽しみ方に合わせて選べます。

約40分ほど登ったところで、最後の三十三番目の石仏がお目見えいたします。
ここで引き返すのも一つですが、さらに同じくらいの時間を進むとこちらも歴史のある安倍城址を拝むことができます。

ただし、道のりは険しくなりますので適正なご判断をお願いしたいところです。

    

2.洞慶院から安倍城址頂上

静岡市:洞慶院

安倍城址頂上から眺める景色は、富士山と共に安倍川や静岡市街を一望できる絶景のロケーションです。
石碑のある開けた空間は、ゆったりと過ごすのに最適な環境です。

安倍城址は、「石仏を辿る洞慶院コース」と「反対側の西ケ谷コース」、「慈悲尾から入る増善寺コース」と登り口が3ヶ所あり、このまま、先に進んで別の登り口に降りることができます。
距離はそれほど長くはありませんが、急坂やロープを伝うところもありますので覚悟を持って登られることをおすすめいたします。

     

洞慶院の詳細情報

静岡市 曹洞宗久住山 洞慶院
住所 静岡県静岡市葵区羽鳥7丁目21-9
電話 054-278-9724
拝観時間 特になし
拝観料 特になし
駐車場 無料駐車場あり
アクセス バス JR静岡駅より藁科線乗車約20分→「羽鳥」下車→徒歩にて約21分
●新東名「静岡スマートI.C.」から約15分
●東名「静岡I.C.」から約27分。
HP https://www.tokeiin.jp/

    

 

洞慶院巡りで癒しの時間

静岡市:洞慶院

境内各所を巡る楽しみ方から梅のお花見やハイキングまで、一年を通して洞慶院の魅力は計り知ることができません。
本堂や伽藍の歴史ある佇まいを鑑賞したり、庭園や森林内の散策など、いろいろな過ごし方ができます。

人それぞれ、思い思いの時間を過ごせる癒しの空間として、ふらりと散策してみるのはいかがでしょか。

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この記事を書いたひと

おかの めぐみ

おかの めぐみ

日本酒とバイクをこよなく愛する中年女子ライター。
北は青森、南は四国まで山超え谷越えのツーリングを体験。

ソロキャンプを織り交ぜながら、日本中の美味しいお酒と特産品を味わいたいという願いを叶えるため地道に活動中。

生まれ育った静岡の魅力をお伝えできるよう奮闘してまいります!

学びながら呑んだくれる日本酒ブログを更新中。

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