子どもと防災を考える!地震を知って体験できる「静岡県地震防災センター」
先日、ニュースで流れた津波の映像を一緒に見ていた子ども達が「怖い」とショックを受けていました。
ママの立場からどう説明してよいのかわからなかったのですが、静岡県にいつかくるといわれる地震を知るチャンスなのではないかと思うように。
地震についてもっと知るために「静岡県地震防災センター」へ子ども達と見学に出かけました。
その時の様子をお伝えします。
このページの目次
防災情報の発信拠点「静岡県地震防災センター」
静岡県地震防災センターは、静岡県民の防災意識を高め、立ち向かうための知識を深め、技術を向上させることを目指した施設。
防災を「知る」「備える」「行動する」という3つのキーワードに沿った展示や地震体験、シアターなどがあり、地震や風水害、火山災害を学ぶことができます。
平成元年に設置。
令和2年にリニューアルされ新たな装いになりました。
「静岡県地震防災センター」の利用方法と流れ
見学予約方法
現在は新型コロナ感染症拡大防止のため、入場制限があり個人・団体での来館は事前予約制です。
予約は電話予約のみ。
見学開始時間を選び予約します。
個人の予約はAコースまたはBコースを選び、インストラクターさんが案内をしてくださいます。
<個人の見学コース>
Aコース | ふじのくに防災シアターと地震津波ゾーン |
見学時間 | 60分 |
内容 | ●ふじのくに防災シアターの上映
●地震津波ゾーン |
Bコース | ふじのくに防災シアターと風水害ゾーン 火山災害ゾーン |
見学時間 | 60分 |
内容 | ●ふじのくに防災シアターの上映
●風水害ゾーン ●火山災害ゾーン |
地震について知りたいわが家は、Aコースをチョイスしました。
現在はAまたはBコースどちらかを選ぶ形です。
新型コロナの感染状況によっては入館に関して変更がある可能性も。
ホームページで詳細を確認してから見学予約をしましょう。
団体の見学コースは概ね10人以上から予約ができます。
幼稚園の社会見学や小中学校の総合学習、地域や企業の研修にも利用することが可能。
団体の見学コースは、A~Eコースまであります。
コロナ感染症対策
入館者はマスクの着用、入り口でのアルコール消毒、体温チェックをして感染症対策をします。
感染者の発生に備えて、来館者の氏名、住所、代表者の連絡先の名簿を作成しているそうです。
「ふじのくに基準」に基づき、他県からの来館は自粛していただく場合も。
ホームページに新型コロナ感染症対策についての注意事項があるので、見学前にチェックしましょう。
子どもと一緒に地震防災センターを見学
コロナ対策を万全にしていざ入館です!
入り口の扉が開くと、館内はまるで美術館のよう!
子ども達もわくわくが止まらない様子です。
インストラクターさんの案内を聞き、見学がはじまります。
大迫力!ふじのくに防災シアター
シアターでは、過去の災害や静岡県の地形、豊かな自然や産物、実際に地震が起きた時にどのようにしたらよいのかなどを知ることができます。
おおよそ15分程度の上映で、大スクリーンの映像に合わせて床が振動するダイナミックな仕掛けもあります。
わかりやすい説明と映像がダイレクトに伝わるので、幼稚園児(年長)の息子も理解していました。
ママの私も「地震が起きたら実際にどんなことが起こるのか?」リアルにイメージすることができます。
地域の対策や取り組みなど常に新しい情報が更新されていて、これからも積極的に情報を取り入れていく必要があるなと感じました。
なぜ起きるの?地震のしくみを知る
シアターでの映画が終わると、【地震のしくみ】コーナーへ。
プレート境界型地震や活断層型地震、これまでに被害をもたらした地震について、インストラクターさんが丁寧に説明してくださいました。
子ども達は世界地図から日本を探し、興味深そうに話を聞いています。
南海トラフ巨大地震で想定される静岡県の震度分布図です。
自分の住んでいる場所はどのくらいの震度になるのか一目瞭然。
震度が大きいと揺れるだけではなく、がけ崩れや津波の被害も心配です。
見学コースでは、体験できるポイントもあります。
パネルにタッチして、自分の住んでいる場所からの避難所を探します。
地震がきた時に親は子どもと一緒にいられるとは限りません。
見学の後、子どもたちはどう行動すべきかを家族で話し合いました。
リアルな揺れを感じる!地震動体験
こちらのコーナーでは起震装置に乗ることができました。
大スクリーンに映し出される地震の画面を見ながら、床が揺れて地震の疑似体験ができるという装置です。
現在はコロナウイルス感染拡大防止のため、搭乗人数を7人に制限。
年齢によって震度が設定されており、目安をもとに体験します。
中学生以上でも、足腰の弱い方、腕の力がない方、バーをしっかり握ることができない方はかなりの揺れを感じる震度7の体験は遠慮するように記載がありました。
【体験震度の目安】
幼稚園児(年中以上) | ~震度4 |
小学校低学年 | ~震度5弱 |
小学校高学年 | ~震度6弱 |
中学生以上 | ~震度7 |
65歳以上 | ~震度6弱 |
車いす搭乗希望 | ~震度5弱 |
家族で地震体験
地震装置は、安全面に配慮して、年齢により体験できる震度が決まっています。
震度が大きくなるごとに対象年齢ではない人が装置を降りるようになっています。
まずは、家族全員で装置に乗り込み小さい震度を体験します。
年長の息子は、はじめの揺れで少しびっくりした様子。
震度4の体験が終わったら年長の息子が降り、安全を確認してから震度5の体験がはじまります。
震度5を体験した小学生の兄は「怖くない!」と言っていましたが、実際に起こった時は「もっと揺れて感じるのかもしれない」とイメージができたようです。
最後に、震度7が体験できる大人が一緒に装置に残ります。
震度7の揺れは、想像していたよりはるかに大きい。
手すりにつかまらないと立っていられません。
地震装置を降りて見ている子ども達が、大人が揺れている様子に驚いていたのがわかりました。
大きな揺れが想定される「南海トラフ地震」を改めて怖いと感じました。
地震のメカニズムを知る
【地震のメカニズムを知る】コーナーへ。
津波や液状化、地震周期による建物の揺れの違いなどのメカニズムを知ることができます。
津波が発生する原理をミニチュアの装置で見ます。
地震が発生時、海の近くにいる場合は素早く避難することが大切。
そのためには、避難所をチェックしておくことが必要だと思いました。
平成23年3月11日の東日本大震災では、震度が大きくなかった大阪の高層ビルの上階が大きく、長く揺れたのだそうです。
建物には固有の揺れやすい周期(固有周期)があります。
地震波の周期と建物の固有周期が一致すると共振して、建物が大きく揺れます。
建物の固有周期は、木造住宅で概ね0.1~0.5秒、高さ200mの高層ビルで約4秒、高さ300mの高層ビルで約6秒と言われているそうです。
震源から遠く離れた大阪で、このような揺れが発生してしまうそのワケは、長い周期の地震波が短い周期の地震波に比べて弱まりにくいため、遠くまで伝わり、高層ビルと共振したからです。
共振すると高層ビルは長時間にわたり大きく揺れます。
地震波の周期が短いと木造住宅の揺れが大きく、周期が長いと高層ビルの揺れが大きくなるのだそうです。
こちらの「長周期地震動」の実験装置で見ると一目瞭然。
子どもたちもハンドルを回しながら、建物の揺れの違いに納得していました。
地震への備えは大丈夫?
ここからは、地震の備えを考えるコーナーです。
家具の倒壊については、震度7の揺れを体験した後すぐに気になりました。
家庭や仕事場では、家具の固定や耐震対策をすることは身を守るカギ。
わが家も帰ってから家具のチェックをしました。
家で避難生活を続ける場合は、7日分の飲料水や食料を備蓄する必要があるそうです。
「ローリングストック」方式は、敢えて備蓄を用意するというより日頃から飲料水や食料を多めに買っておき、使った分を買い足すという方法。
防災用品というと少し構えてしまう部分がありますが、これなら私にもできそうだと思いました。
携帯トイレも忘れずに備蓄しましょう。
地震が起こった時どうなるの?
実際に地震が起こった時、「どのような行動が必要」で「どんな避難生活をおくるのか?」
イラストや展示を見ながら勉強できます。
地震がきたら、まず自分の身を守ること。
そしてまわりと協力をすること。
心がまえをしておくことで、大きなパニックを防げるかもしれません。
避難所生活を考えるコーナー
避難所生活では、細かい点がトラブルになるケースがあるそうです。
例えば騒音問題やペットの問題、タバコを吸っているなどの生活習慣の違いも問題に。
お互いがストレスなく、気が休まる場所を作っていくのは大人たちです。
いざとなってあわてない為にも、避難生活について具体的にシュミレーションをしておくべきだと思いました。
●地震が起こった後・・・
「自宅で避難生活をするのか」
「避難所で生活するのか」
●ライフラインが断たれたら・・・
「トイレはどうするのか」
「料理はどう作るのか」
さまざまなことを考えるうちに自然と備蓄についても心配になりました。
また、子ども達と一緒にシュミレーションをすることも大切だと思いました。
避難所で生活するのならば、家に居る時と違い家族以外の人たちとも協力していかなければならないこと。
水や電気などが一時的に止まってしまう可能性が大きいので、便利な生活はできないことなど。
災害が起こったら、子ども達ができるだけパニックにならないように伝えていきたいと感じました。
「静岡県地震防災センター」基本情報
住所 | 静岡市葵区駒形通5丁目9番1号 |
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電話 | 054-251-7100 |
開館時間 | 9:00~16:00 |
休館日 | 月曜日 12月28日~1月4日 |
入場料 | 無料 |
予約方法 | 個人・団体ともに事前電話予約 見学の詳細 |
注意事項 | 来館者の皆様へお願い |
駐車場 | 無料駐車場あり ※普通車42台分 ※バス4台分 |
アクセス | バス ●「JR静岡駅前(8番)」・用宗線「JR静岡駅前(7番)」より西部循環線(駒形まわり)に乗車→「駒形五丁目」下車→進行方向へ交差点右折(徒歩約2分)●「JR静岡駅前(7番)」より中部国道線・丸子線・丸子小坂線・牧ヶ谷線・東新田下川原線いずれかに乗車→「本通十丁目」下車→進行方向へ交差点左折(徒歩約5分) 車 第一東名静岡インターより約15分→「インター通り」を北進→国道1号との交差点を右折→2つ目の信号「清閑町」交差点を左折→「しあわせ通り」に入り、2つ目の信号を過ぎて左側 |
HP | https://www.pref.shizuoka.jp/bousai/e-quakes/index.html |
子どもの防災への興味が深まる
静岡県地震防災センターは、大人はもちろん子どもと一緒に防災を学ぶのにうってつけの施設。
地震について見学した子どもたちは、「風水害についても知りたい!」と興味が深まりました。
いつかくるといわれる地震を体感し、備えるためにもぜひご友人やご家族で足を運んでみてくださいね。
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