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南伊豆ユウスゲ公園|夕暮れだけ咲く幻の花と海を見下ろす絶景スポット

夢幻の黄金時間|南伊豆・ユウスゲ公園で出会う、夕暮れだけの絶景

夕方、ふと「今日の夕陽はどこで見よう」と思ったことはありませんか?
観光地の喧騒から離れて、静かに海を見下ろしながら、心をリセットできる場所。
そんな場所が、南伊豆の最南端近く、石廊崎エリアにひっそりと存在します。

ユウスゲ公園——。

地元の人しか知らない、夕暮れ時だけ姿を現す”儚い花の丘”です。
今回は、夏の日中に訪れて感じた、伊豆半島の壮大な景色と、静寂の中で咲く淡い黄色の花の物語をお届けします。

 

このページの目次

基本情報

所在地: 静岡県賀茂郡南伊豆町石廊崎
駐車場: 普通車20台(無料)
設備: トイレなし、Wi-Fiなし、飲食設備なし
見頃: 7月中旬〜8月上旬
開花時間: 夕方16:30〜17:30頃から開花開始(翌昼には閉じる)

「地元の人しか知らない」夕暮れの丘

「ユウスゲ? 聞いたことないな」

伊豆に何度も訪れているはずなのに、この公園の名前を知ったのはつい最近のこと。
SNSでたまたま見かけた、夕陽に染まる黄色い花畑の写真。
その光景があまりにも幻想的で、「本当にこんな場所が静岡にあるのか?」と半信半疑のまま、調べてみることにしました。

場所は、伊豆半島の最南端近く、南伊豆町石廊崎
伊豆ジオパークの眺望ポイントでもある、海を見下ろす断崖の上に、ユウスゲ公園は静かに佇んでいました。

地図を見ても、目立った観光地の看板があるわけでもなく、「これ、本当に合ってるのかな?」と不安になるほどの静けさ。
でも、その”何もない感じ”が、逆に特別な場所を見つけた予感を高めていきました。

夕方4時半、花が”目覚める”瞬間

ユウスゲの花

一日限りの命を持つ、儚い花

ユウスゲは、その名の通り「夕方に咲く菅(すげ)」。
日中はつぼみのままで、夕方4時半から5時頃になると、静かに花びらを開き始めます

そして、翌日の昼ごろにはしぼんでしまう——。

つまり、ユウスゲの姿を見られるのは、夕暮れから夜、そして早朝までという、ごく限られた時間だけ。
日中に訪れても、ただの緑の草原にしか見えません。

花言葉は「優雅」「夕暮れの美しさ」、そして「夢幻(むげん)」。
この”一瞬だけ輝く”生態が、ユウスゲ公園を訪れる理由そのものになっています。

ユウスゲの花

夏の日中に訪れて見えたもの

実は私が訪れたのは、夏の日中。
花は咲いていませんでした。

でも、その代わりに出会ったのは——周りを見渡せる、圧倒的な景色

ユウスゲ公園からの景色

公園は小高い丘の上にあり、視界を遮るものが何もありません。
目の前には駿河湾が広がり、海の青がどこまでも続いている
風が強く、波の音が遠くから聞こえてくる。

「ああ、ここは花だけの場所じゃないんだ」

そう気づいた瞬間でした。

公園の背景には、数百万年前の海底火山から噴き出した赤いスコリア(火山岩)の断崖が見えます。
伊豆半島ジオパークの一部でもあるこの場所は、ただの”花畑”ではなく、地球の歴史を感じられる絶景スポットだったのです。

ベストな訪問時間は?「ゴールデンアワー」を狙え

では、ユウスゲを最高の状態で楽しむには、いつ行けばいいのか?

答えは、夕方16:30〜18:30の間です。

16:30〜17:30:開花の瞬間を見届ける

夕方のユウスゲ公園

この時間帯に到着すれば、駐車場(20台のみ)を確保しやすく、つぼみがゆっくりと開いていく貴重なプロセスを観察できます。
「花が目覚める瞬間」を見られるのは、早めに来た人だけの特権です。

日没30分前〜日没:黄金色に染まる”マジックアワー”

太陽が地平線に近づくと、光が柔らかくなり、色が濃くなっていきます。
この時、ユウスゲの淡い黄色が、夕陽のオレンジ色を浴びてまるで黄金色に輝くように見える——。

これが、ユウスゲ公園の最も美しい瞬間、「ゴールデンアワー」です。

花と夕陽と海が、たった数十分だけ織りなす奇跡のような光景。
この瞬間を逃さないために、早めの到着を強くおすすめします。

写真を撮るなら、この構図を

ユウスゲ公園は、写真愛好家にとっても最高のロケーション。
ここでは、撮影のコツをいくつかご紹介します。

ゴールデンアワーの逆光シルエット

太陽を背景にして、ユウスゲの花畑と人物のシルエットを撮影。
輝く空と花のコントラストが、ドラマチックな一枚を生み出します。

ブルーアワーの幻想的な静けさ

日没直後、空が群青色に染まる時間帯。
ユウスゲはまだ閉じていないので、背景の青と花の黄色が美しく映えます。
静寂感のある、詩的な写真が撮れる時間帯です。

ジオサイトの壮大さを取り入れる

広角レンズを使って、花畑だけでなく、背景の断崖絶壁や駿河湾も構図に入れてみてください。
スケール感のある写真になり、「伊豆ジオパーク」としての価値も伝わります。

訪れる前に知っておきたいこと

ユウスゲ公園は、自然そのままの静かな場所です。
だからこそ、訪れる前に知っておいてほしいことがあります。

設備は最小限

  • トイレなし
  • Wi-Fiなし
  • 飲食設備なし
  • 駐車場は20台のみ

これは不便なのではなく、“都会の喧騒から完全に切り離された空間”という、この場所ならではの価値です。

夕陽を待つ間、スマホの通知に邪魔されることなく、ただ風の音と波の音だけが聞こえる——。
それが、ユウスゲ公園の”デジタルデトックス”体験です。

訪問のコツ

  • 日没の1〜2時間前に到着すると、駐車場が確保しやすくなります
  • 懐中電灯を持参:日没後は暗くなるので、足元注意
  • 遊歩道から外れない:ユウスゲ群生地はデリケートな自然環境です
  • 花の採取は厳禁:儚い花を、次の人にも楽しんでもらうために

訪問後のおすすめ:サンセット体験を完璧に締めくくる

ユウスゲ公園にはトイレや飲食設備がないため、訪問後の休憩場所も計画しておくのがおすすめです。

SOUTH POINT CAFE & GIFT(奥石廊崎あいあい岬)

距離: ユウスゲ公園から車で約5分
営業: 土日はサンセットまで営業
魅力: 絶景を眺めながらの食事・休憩が可能

ユウスゲ観賞後、このカフェで夕陽の余韻を楽しみながらゆっくり休憩——。
これが、南伊豆サンセット体験の完璧な締めくくりです。

近隣のグルメスポット

ユウスゲ公園周辺には、地元の味が楽しめるお店も点在しています。

石廊崎港周辺の海鮮料理

距離: ユウスゲ公園から車で約10分

石廊崎港には、新鮮な地魚が味わえる食堂が。伊豆といえば金目鯛!地元の漁師が獲った魚を、その日のうちに味わえる贅沢。

カフェ&ネパールカレー ティハール

距離: 下賀茂温泉エリア(車で約20分)
キャッチ: 南伊豆の温かさが詰まった、本格ネパールカレーで心もほっこり

意外な組み合わせだけど、地元で評判の本格派。スパイスが効いているのに優しい味わいで、海風に吹かれた後の体を温めてくれます。

地魚定食が楽しめる地元食堂

距離: 石廊崎港周辺
キャッチ: 「今日の地魚」が主役!漁師町ならではの良心価格で海の幸を堪能

商売っ気のない、地元の人に愛される食堂。サンマ寿司や地魚定食が絶品で、観光地価格じゃないのが嬉しい。

南伊豆 サンセット満喫コース(おすすめプラン)

時間帯スポット/アクション
15:00 – 17:00周辺観光(ヒリゾ浜、堂ヶ島遊覧船など)
17:00 – 18:30ユウスゲ公園:開花観察+ゴールデンアワー撮影
18:30 – 19:30SOUTH POINT CAFE:絶景を眺めながら休憩・食事
19:30 – 20:30星空観賞:南伊豆の光害が少ない環境で夜空を楽しむ

近隣の観光スポット・写真スポット

ユウスゲ公園の周辺には、伊豆半島最南端ならではの絶景スポットが点在しています。

石廊崎オーシャンパーク・石廊埼灯台

距離: ユウスゲ公園から車で約5分
キャッチ: 伊豆半島最南端!白亜の灯台と断崖絶壁が織りなす、圧巻のパノラマ

「日本の灯台50選」に選ばれた白い灯台が、青い海に映える絶景スポット。2019年にリニューアルされた石廊崎オーシャンパークからは、遊歩道で灯台まで約5分。断崖絶壁に建つ石室神社も必見です。

石廊崎岬めぐり遊覧船

距離: 石廊崎港から出発
キャッチ: 海から見上げる断崖絶壁と海底火山の痕跡に、地球の歴史を感じる25分

海底火山が生んだ荒々しい岩場、透明度抜群のヒリゾ浜、赤いスコリア層——。陸から見るのとはまったく違う、迫力満点の景色が待っています。

あいあい岬(奥石廊崎大根展望台)

距離: ユウスゲ公園から徒歩約5分
キャッチ: 「愛逢岬」の名にふさわしい、カップルで訪れたい夕陽の絶景スポット

ユウスゲ公園のすぐそば、駿河湾を一望できる展望台。南伊豆町ジオパークビジターセンターも併設されており、伊豆の大地の秘密を学べます。

ヒリゾ浜

距離: ユウスゲ公園から車で約15分(渡船は別途)
キャッチ: “南伊豆最後の秘境”!驚異の透明度を誇る、船でしか行けない絶景ビーチ

伊豆屈指の透明度を誇る海。シュノーケリングの聖地として知られ、夏季限定で渡船が運航されます。※夏季のみアクセス可能

弓ヶ浜

距離: ユウスゲ公園から車で約20分
キャッチ: 「日本の渚100選」認定!弓なりの白砂ビーチで、のんびり海辺散歩

約1.2kmにわたる弓なりの海岸線が美しい、南伊豆を代表するビーチ。アカウミガメの産卵地としても知られ、夏には海水浴客で賑わいます。

「観光地」ではなく、「心を整える場所」

ユウスゲ公園は、派手な観光地ではありません。

でも、だからこそ——。

夕暮れ時、海を見下ろしながら、淡い黄色の花がゆっくりと目覚めていく瞬間。
風の音、波の音、そして群青色に染まっていく空。

「ああ、静岡って、やっぱりいいな」

そんな小さな気づきが、自然と心に浮かんでくる場所でした。

一日限りの命を持つユウスゲの花は、私たちに”今この瞬間”の大切さを静かに教えてくれます。
忙しい日常の中で忘れがちな、時間の尊さ。
この公園は、それを思い出させてくれる場所なのかもしれません。

we love 静岡からのひとこと

ユウスゲ公園は、「行ってよかった」と思える場所ではなく、
「この時間を、誰と見たいですか?」と問いかけてくる場所です。

夕暮れの黄金時間は、一日に一度だけ。
ユウスゲの花は、一日限りの命。

その儚さが、この場所を特別にしています。

次の休日、少しだけ足を伸ばして、南伊豆の夕暮れを訪れてみませんか?
あなたの”夢幻の黄金時間”が、ここで待っています。

アクセス情報

所在地: 静岡県賀茂郡南伊豆町石廊崎
駐車場: 普通車20台(無料)
アクセス: 伊豆急下田駅から車で約30分

注意事項:

  • 駐車台数に限りがあるため、早めの到着を推奨
  • トイレ・飲食設備なし
  • 夜間訪問時は懐中電灯持参推奨

 

よくある質問(FAQ)

Q1 ユウスゲはいつ行くのがベストですか?

A 7月中旬〜8月上旬の見頃時期に、夕方16:30〜18:30の間に訪れるのがベストです。特に日没30分前の「ゴールデンアワー」は、花が最も美しく見える時間帯です。

Q2 駐車場はありますか?

A 無料駐車場が約20台分あります。夕暮れ時は混雑する可能性があるため、開花開始時間の16:30頃までに到着することをおすすめします。

Q3 公園内に設備はありますか?

A トイレ、Wi-Fi、飲食設備はありません。訪問前にトイレを済ませ、必要な飲食物を持参することをおすすめします。周辺の「SOUTH POINT CAFE & GIFT」(車で約5分)で休憩も可能です。

Q4 日中でも楽しめますか?

A ユウスゲは夕方から開花するため、日中はつぼみの状態です。ただし、海を見下ろす壮大な景色やジオサイトとしての価値は、日中でも十分に楽しめます。

Q5 夜まで滞在できますか?

A 可能ですが、園内は照明が少ないため、懐中電灯などの照明器具を持参してください。また、足元に注意し、遊歩道から外れないようにしてください。

静岡の”静けさ”を、ユウスゲ公園で感じてください。

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この記事を書いたひと

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三保の松原の逸話にも登場する「羽衣天女」をモチーフにした、we love 静岡のかわゆいマスコットキャラクターです。

県外からの観光でも、地元静岡県民もたのしめる地域情報をお届けする為に、ひさしぶりに降臨して頂きました♪